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★ 嫌われると、逆に好きになってしまう心理的リアクタンス 好かれると好きになる、嫌われると嫌いになる、対人好悪はこのような相互性(互恵性)が基本であるし、好意的関係を持つ場合の正攻法です。 しかし世の中には、好かれると嫌いになる、嫌われると好きになる、といった変わり者、いわゆる天邪鬼がいるものです。 では、そんなへそ曲がりでなくても、私たちの心のなかには、嫌われたり拒否されたりすると、かえってその人に興味を持ち、その人に妙に魅力を感じるという変な心理が働くことがあります。 では、なぜ拒否される人に魅力を感じるのでしょうか。 心理学では、人は自分のことは自由に選択し、決定したいと思っています。そこで、ある行動を人から強いられたり、選択を拒否されたりすると、選択の自由が奪われたと感じます。 すると、その奪われた自由を取り戻したいと思うものです。 このような、拒否された自由を取り戻そうとする情動の状態を、「心理的リアクタンス(反発)」と呼んでいます。 この反発により、その対象への反対の傾向、つまり、拒否されれば逆に魅力を感じ、好意を持つようになるのです。 女性の「嫌い嫌いは好きのうち」という、裏返しの心理の話がありますが、この反発心理を経験的に知っていて、それを利用しているのかもしれません。 ★ いつも一緒にいると好きになる不協和解消の心理 人は頭のなかで感情と行動の関係を整理しています。 たとえば、好きな人とは一緒にいたい、好きでない人とは一緒にいたくないという単純な図式をもっています。通常、この図式に則って行動を決定しているわけですから、たまたま好きでない人と一緒にいることになったとき、頭のなかの図式と合わず、矛盾が生じます。 これを「不協和」といいます。そしてその矛盾を解消しようと不協和解消の心理的メカニズムが働いてしまうことがあるのです。 その方法には3つあります。 @ 感情に行動を合わせる A 矛盾を説明する理由を明確にする B 行動に感情を合わせる 最後の行動に感情を合わせる方法が取られると、「一緒にいた」という事実からさかのぼって、「一緒にいたのだから好きな人だ」と感情が変化するよう働くわけです。 こうして、一緒にいる人をいつのまにか好きになっているということになるのです。いつも一緒にいることによって、意中の人の心を変えさせることも可能かも知れません。
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