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仲間と雑談していて、ついなりゆきで相手の欠点や悪口をいってしまったことはありませんか。 そんなときは、「悪かった、冗談だよ」と、いったことを帳消しにしようとするものです。相手が気を悪くしないようにすることはもちろんですが、自分がその人を嫌いにならないためにも、早く修復したほうがいいでしょう。 悪口をいった分を取り除かないと、相手が腹を立てるばかりでなく、自分自身のなかにもそれを正当化しようという変な心理的メカニズムが働き始めるからです。 また、フォーマルな行動でも相手の欠点を指摘し、低い評価を伝える場合があります。 会社での次のような事例も同じような心理が働きますので、上司の人は十分注意が必要でしょう。 会社には懲戒規定や罰則規定があり、ミスをした社員は、その規定に基づいて罰が与えられます。 軽い処分では、社員の悪い行いや過失を口に出して戒める譴責(けんせき)や戒告があります。 処分に該当する人の中には、本当に悪い行いをした人もいるでしょうが、業務の関係上、運悪くこのような処分に該当するケースも少なくありません。 こんなときは、本人にとっては悔しいものでしょう。 また、戒告する側もそのことを承知しているので、形式上のものになります。 この際、「冗談だよ」とは言えませんが、「規則上、しかたない」とフォローはできます。 本人のやる気を損ねないためにも、このようなフォローは大切ですが、戒告を行う上司にとっては、こうしたフォローはじつは大事なことです。 形式上でも、実際に相手を口頭でたしなめるわけですから、行為者本人への心理的影響は、はたで見ているより大きなものです。 ですから、あとでフォローしておかないと、ここで変な自己正当化メカニズムが働いてしまうのです。 つまり、「相手はそういう人間なのだ」という心理が働いてしまうのです。そして、上司はその部下を低く評価し、嫌悪するようになってしまうのです。
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