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最近の新入社員は、先輩社員から、「どう、今夜、良かったら軽く飲みに行ってみないか」と誘われても、「今日は、約束がありますから」とか「5時以降は仕事の関係ではつき合わないようにしていますので」などとあっさり断る人が増えてきています。 先輩社員としては「だから、最近の若い人はダメなんだ」と、苦々しい表情で、次のように言ったりしています。 「一見、無駄のように思えても、そうじゃない。ボクが入社した頃は、毎晩毎晩引っ張り回されて、鍛えられたものだよ。それで酒も強くなったし、人とのつき合い方も教えられた。それについていけないやつは脱落していった。 厳しさも教えられた。 いまのボクがあるのは、そうやって鍛えられたからだ。 酒場は人生道場だった。人生に無駄はないと、ボクは思うよ」 一理はあるでしょうが、じつは大半の人にとって人生は無駄の連続です。 取引先との酒席に命を賭けて、それによって役員にまで上り詰めたら、そのやり方が功を奏したともいえるでしょう。 ですが、現実はそううまくいくとは限りません。 こういうセリフを吐く当の本人は課長どまりで、無駄ばかりの人生に言い訳をして自分自身をなぐさめ、自分の過去を正当化するために、「人生には無駄はない」と言っている場合があります。 一日24時間しかないのに、毎晩毎晩夜遅くまで飲んでいれば、それは人生の無駄以外の何物でもありません。 そうでなくても、たいていの人の場合、人生は無駄ばかりですが、無駄だと言い切ったら、その人自身が救われません。 だから、若い人をつかまえて、「キミ、人生に無駄はないんだよ」といっているにすぎないのです。 無駄ばかりの遠回り人生が役立つのは小説家くらいのものです。 |
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